後半では、骨の内部に存在する造血組織である
「骨髄」について分かりやすく解説します。
骨そのものについては前半にて解説しています。
前半はコチラ↓
①骨髄とは?
「骨髄」とは、骨の内部に存在するゼリー状の組織です。
骨の内部には「海綿骨(海綿質)」と言うスポンジのような網目のある組織があります。
その網目部分に詰まっているのが骨髄です。

骨髄に含まれる成分
「細網繊維」と種々の「造血細胞」、「間質細胞」が含まれます。
細網繊維
細網繊維とは、コラーゲンで出来ている繊維の事で、細かく枝分かれしていて網の目状になっています。
「細網細胞」により合成されます。
骨髄以外にもリンパ節や脾臓、肝臓など様々な組織に存在し、細胞や臓器の基盤となる役割があります。
造血細胞
赤血球や白血球、リンパ球の元になる細胞。
「造血幹細胞」という一つの細胞から、種々の血球やリンパ球が作られます。
間質細胞
それぞれの組織をつなぎ止めて支える役割をもっています。
また、造血細胞の成長に必要な物質を分泌したり、出来上がった血球を血液中へ放出するのをコントロールしたりと、多くの作用を持ち合わせています。
骨髄には2種類ある
骨髄には、造血細胞を多く含み造血作用がある「赤色骨髄」と、脂肪細胞が多く含み、造血作用がない「黄色骨髄」があります。
ヒトの骨髄は出生時にはほとんどの部位が赤色骨髄ですが、加齢とともに間質細胞の一部が脂肪細胞になり、黄色骨髄へ変化します。
②造血(血球産生)のメカニズム
分化と自己複製
血液中の成分のうち、赤血球や白血球などの「血球成分」を産生するのが骨髄の主な役割です。
骨髄には、すべての血球の元となる「造血幹細胞」が存在し、成長することで赤血球、白血球、リンパ球、血小板などへ変化します。このような細胞の変化は「分化」と呼ばれています。
また、造血幹細胞自身も分裂して、新たに造血幹細胞を作り出すことも出来ます。これを「自己複製」と言います。
造血幹細胞は自己複製を繰り返しながら複製した一方が分化する事で、未分化の状態を維持しながら、 様々な機能を持つ細胞を 産生し続けているのです。
造血幹細胞の分化

図は、造血幹細胞の分化の流れを簡単にしたものです。
造血幹細胞はまず、「骨髄系幹細胞」「リンパ系幹細胞」の2種類に分化します。
骨髄系幹細胞は、
「赤血球」「血小板」「顆粒球」
など主に血液中で働く細胞へ分化します。
また、リンパ系幹細胞は、
「NK細胞」「B細胞」「T細胞」など、
主に免疫を担う細胞へと分化します。
リンパ系幹細胞の一部は途中で「胸腺」へ移動し、胸腺で成熟してT細胞となります。
これら免疫細胞の役割や働きは、第10章で分かりやすく解説していますのでコチラをご参照ください!
③造血に関係する色々な疾患
何らかの原因で造血幹細胞や分化の過程で
異常が生じると、様々な疾患を
引き起こす事があります。
再生不良性貧血
肝炎やウイルス、薬剤などが原因で骨髄系幹細胞が傷ついて分化出来なくなった疾患。
赤血球、白血球、血小板が減少。
白血病
遺伝子の異常が原因で、分化途中の未熟な細胞が「がん化」し、異常に増えてしまう疾患。
増えた細胞が骨髄内を占領してしまうため、正常な赤血球や血小板は減少。
白血球は、がん化する細胞の状態や種類により
大きく4種類に分類されています。
| 「慢性」 | 分化する能力はあるが、バランスを無視して増殖している状態。 症状は緩やかに進行する。 |
|---|---|
| 「急性」 | 分化する能力を失い、未熟な細胞が増殖している状態。症状は急速に進行する。 |
| 「骨髄性」 | いずれ好中球や単球になる細胞ががん化した状態。 |
| いずれリンパ球になる細胞ががん化した状態。 |
これらの特性を組み合わせて、
「慢性骨髄性白血病(CML)」
「慢性リンパ性白血病(CLL)」
「急性骨髄性白血病(AML)」
「急性リンパ性白血病(ALL)」
の4種類に分類されています。
多発性骨髄腫
Bリンパ球が活性化した「形質細胞」がガン化し、異常に増えてしまう疾患。
骨髄腫細胞が分泌する物質により
- 破骨細胞が活性化し、骨が溶かされすくなる
- 溶かされた骨により血液中にカルシウムが増える
- 異常なたんぱく質が産生され、これを排泄する腎臓がダメージを受けやすくなる
- 腎臓や骨髄へのダメージにより赤血球が作られにくくなる
等の様々な悪影響が起こります。
④免疫細胞が働く場
次章は…
骨髄で作られた免疫細胞の働く場の一つである「皮膚」について、分かりやすく解説しています。
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