皆さんこんにちは!ベジ(Vegi)です。
今回は、私達が口にする食品の多くに使われている
「人工甘味料」についてのお話です。
「体に悪い」「発がん性がある」などの意見も散見されますが、果たしてどうなのでしょうか?
①人工甘味料ってそもそもどんなもの?
食品に甘味を付ける調味料である「甘味料」のうち、植物の葉や果実などに含まれる甘味成分を抽出したものは 「天然甘味料」、化学的に合成されたものは 「人工甘味料」と呼ばれます。人工甘味料には
「スクラロース」
「サッカリン」
「アセスルファムK」
「アスパルテーム」
などがあります。砂糖の数百倍の甘味度があり、ごく少量で砂糖と同程度の甘味をつけることができるため、その分カロリーを抑えることができます(スクラロースやアセスルファムKは消化管から吸収されないためカロリーは0(ゼロ)です)[1]。
では身体への影響や発がん性についてはどうでしょうか?
②身体への影響は?
最初に、身体への影響を考える上での指標を解説します。
甘味度[2]
主に人の味覚によって測定される甘さの指標。ショ糖(砂糖)の甘さを「1」として比較した時の数値で表される。
ADI[3]
ヒトが一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと考えられる 1 日当たりの物質の摂取量のこと。体重 1 kg当たりの量で示される(mg/kg体重/日)。
では個々の甘味料について見ていきましょう。
スクラロース[4]
| 甘味度 | 砂糖の約600倍 | ||
|---|---|---|---|
| ADI | 15mg/kg体重/日 | ||
| 砂糖を化学的に加工することで合成される甘味料ですが、砂糖のように消化・吸収されることはありません。 熱・酸に強く、焼き菓子や製パンに使用されています。また口内細菌の栄養源とならないため、「虫歯になりにくい」機能を挙げたチューインガムやキャンディ、歯磨き粉などにも使用されています[1]。 ノースカロライナ州立大学の研究ではスクラロースの合成過程で生成する不純物である「スクラロース-6-アセテート」に 遺伝毒性(DNAを傷つける性質)があることが示されています。また「スクラロース-6-アセテート」は市販のスクラロースには最大0.67%含まれていることが判明しています[5]。 | |||
サッカリン[6]
| 甘味度 | 砂糖の200~700倍 |
|---|---|
| ADI | 5mg/kg体重/日 |
| 清涼飲料水やチューインガムなどの菓子類、甘口醤油など多くの加工食品に使われています。 1960年代にラットでの研究により「膀胱ガンのリスクが高くなる」と発表されましたが、その後の研究にて発ガン性はサッカリンを合成する時に生成する不純物によるものである事が分かりました。また、ヒトにおいては、1988年の研究にて「サッカリンと膀胱ガンの発生に関連性は認められなかった」としています。 | |
アセスルファムK
| 甘味度 | 砂糖の約200倍 | ||
|---|---|---|---|
| ADI | 15mg/kg体重/日 | ||
| 「K」は「カリウム」の意味で、「アセスルファムカリウム」とも呼ばれます。熱や酸に強く安定性の高い物質で、飲料や菓子、ジャム類など100品目以上につかわれています。また、わずかに苦味があるため他の甘味料と併せて使われていることが多いです[1]。 薬事・食品衛生審議会の資料によると、体内で代謝(分解など)を受けずに排泄されるため、インスリン分泌や血糖値には影響を及ぼさず、変異原性(発がん性と関連のある性質の一つ)もないとされています[7]。 また、胎盤や母乳に移行しやすく、妊娠中や授乳中の摂取が1歳時の肥満に影響を及ぼすことや、成人期に甘味を好みやすくなる可能性があることが分かっています[8]。 | |||
アスパルテーム[9][10]
| 甘味度 | 砂糖の約200倍 |
|---|---|
| ADI | 40mg/kg体重/日 |
| たんぱく質の成分であるL-フェニルアラニンとアスパラギン酸というアミノ酸から作られていて、摂取すると消化管でそれぞれのアミノ酸とメタノールに分解されるため、そのままの形で吸収されることはないとされています。 WHOの研究機関であるIARC(国際がん研究機関)による分類では “2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)” となっています。 この根拠として、ヒトや実験動物(マウス及びラット)を用いた試験で腫瘍が増加したとの報告はあるが、これらのデータからはアスパルテームに確実に発がん性があるとは言えないこと、またアスパルテームが摂取後そのままの形で身体に吸収されることがないことが挙げられています。 また、アスパルテームを改良したものに、 「ネオテーム」「アドバンテーム」 というものがあります。 | |
③まとめ
甘味料は加工食品のほとんどに使用されており、今や私達が全く摂取せずに生きていくことはほぼ不可能なものとなっています。調べていくと、発がん性を示唆する研究が散見されますが、どの甘味料も現時点では通常食品から摂取する量では健康上の問題はないとの見解です。とは言え、今後研究が進み新たな身体への影響が発見されるかもしれません。 スーパーやコンビニなどで食品を選ぶ時、このようなことも頭の片隅に置いておきたいものです。
参考にした文献・サイト
- ^農畜産業振興機構. 砂糖以外の甘味料について. 2010.3(https://sugar.alic.go.jp/japan/fromalic/fa_0707c.htm)
- ^前橋 健. 甘味の基礎知識. 日本醸造協会誌. 2011;106(12):818-25. doi: 10.6013/jbrewsocjapan.106.818.
- ^厚生労働省. 食の安全に関する用語集. 2023.7(https://www.fsc.go.jp/yougoshu.data/yougoshu.pdf)
- ^藤井 正. 高甘味度甘味料スクラロースのすべて: 光琳; 2003. 114p p.
- ^Schiffman SS, Scholl EH, Furey TS, Nagle HT. Toxicological and pharmacokinetic properties of sucralose-6-acetate and its parent sucralose: in vitro screening assays. Journal of Toxicology and Environmental Health, Part B. 2023;26(6):307-41. doi: 10.1080/10937404.2023.2213903.
- ^日本医薬品添加剤協会. Safety Data サッカリン. 2020.12.2(http://www.jpec.gr.jp/detail=normal&date=safetydata/sa/dasa1.html)
- ^薬事・食品衛生審議会資料. 2000.1.20(https://www.ffcr.or.jp/shingikai/2000/01/7768026D2059D2334925686900194DAB.html)
- ^Bridge-Comer PE, Vickers MH, Morton-Jones J, Spada A, Rong J, Reynolds CM. Impact of Maternal Intake of Artificial Sweetener, Acesulfame-K, on Metabolic and Reproductive Health Outcomes in Male and Female Mouse Offspring. Frontiers in Nutrition. 2021;8. doi: 10.3389/fnut.2021.745203.
- ^厚生労働省. アスパルテームについて. 2023.7.19(https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/001125208.pdf)
- ^食品安全委員会. アスパルテームに関するQ&A. 2023.7.19
(https://www.fsc.go.jp/foodsafetyinfo_map/aspartame.html#a1-4)



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