スポンサーリンク

#0020 古い油は危険!「過酸化脂質」とは?

コラム

皆さんこんにちは!ベジ(Vegi)です。

今回のテーマは・・・

「過酸化脂質」

です!よく、

“古い油は体に良くない”

と言われています。その原因となる物質が「過酸化脂質」です。

でも、「過酸化脂質」とは一体何でどう体に良くないのか?意外に知らない方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな過酸化脂質について、わかりやすく解説します!

①過酸化脂質とは?

「過酸化脂質」とは油脂が酸化してできる物質の総称です。

油脂は時間が経つと、空気中の酸素と反応して結び付きます。こうしてできるのが「過酸化脂質」です。過酸化脂質にはこんな特徴があります。

・粘度が上がりドロドロとしている
・異臭を放つようになる
・色が着く(濃くなったり、濁る)

そして、厄介なことに過酸化脂質自体も元の脂質と反応して新たに過酸化脂質を生成します。このように、一度酸化が起きると連鎖的に次々に反応が進んでしまうのです。これは油脂の「自動酸化」と呼ばれています[1]

過酸化脂質は体内でも作られる

私たちの体を作っている細胞は、エネルギーを作り出す際に酸素を使っています。使われた酸素は最終的に水となって体の外へ排泄されますが、その途中で発生するのが

スーパーオキシド
過酸化水素
ペルオキシラジカル

です。これらは合わせて「活性酸素(種)」と呼ばれていて、これらと脂質が反応することで過酸化脂質が生成します。
そして、さらに他の体内の成分(タンパク質や核酸など)と反応することで成分の構造や機能に障害を与えるとされています。
このことが老化や動脈硬化、ガンなどの生活習慣病の発症に関連があるといわれています[1][2]

活性酸素は悪者ではない?
しかし、活性酸素は私たちの体にはなくてはならないものでもあります。それは私たちの体が細菌やウイルスなどの外敵から身を守る際に重要な役割を担っているからです。また他にも細胞同士の伝達物質の役割や不要な細胞を除去する役割(=アポトーシス)などもあります。

微量であればこのように人体に役立つ働きをする活性酸素も、その量が過剰になってしまうと過酸化脂質を作り出し先に述べたような様々な障害をもたらします
では、活性酸素が過剰にならないためには、過酸化脂質の生成を抑えるにはどうすれば良いでしょうか?

②過酸化脂質の生成を抑えるには?

抗酸化物質を摂取する

抗酸化物質とは活性酸素の発生やその機能を抑制したり、活性酸素そのものを取り除く働きを持つ物質のことです。
「ビタミンC」「ビタミンE」「カロテノイド」「ポリフェノール」などがあります[2][8]

酸化ストレスを予防する

体内の活性酸素が過剰になった状態を「酸化ストレス」と言います。紫外線やタバコ、大気汚染、過度な運動やストレスによって活性酸素の産生が促進した結果引き起こされます。日頃の生活習慣を見直したり適度な運動を行ったりするなどで酸化ストレスを予防しましょう。

酸化した食品の摂取を避ける

食品に含まれている油脂も古くなれば酸化し、過酸化脂質が生成されている可能性があります。仮に匂いや味に変化がなくても、賞味期限が切れた食品は不用意に摂取しないようにしましょう。特に過酸化脂質が生成されやすいと言われる食品を次に解説します。

③過酸化脂質はどんな食品に含まれている?

古くなった食用油

食用油は「オレイン酸」「リノール酸」などの不飽和脂肪酸が主成分です。何度も使用したりして古くなった食用油は食品由来の成分や水分と反応し酸化が進んでいることがあります(後述しますが「酸敗」と言います)。

・色が濃くなっている
・サラサラしていない
・酸化臭がする

といった特徴がみられた場合は酸化が進んでいるサインですので使用しないようにしましょう[3]

傷んだ青魚

魚に含まれる不飽和脂肪酸である「EPA(エイコサペンタエン酸)」「DHA(ドコサヘキサエン酸)」は非常に酸化されやすいという性質があります。特に痛んだものは食べないようにしましょう。また魚は加熱や干物にするだけでも過酸化脂質が増えるというデータもあります[4]

青魚は水煮が安心⁉
しかし、水の中では逆にEPAやDHAは酸化されにくい事が知られています[5]。このことを踏まえると、煮物や水煮の缶詰めは干物や焼き魚に比べて含まれる過酸化脂質は少ないと推測できます。

加工食品

加工食品は、私たちの口に入るまでに加工や保存の過程で過酸化脂質が生成されていることがあります。問題とされる食品の例を表にまとめました[6][7]

レトルト食品や缶詰原料となる食品含まれる脂質が加熱により酸化
包装に含まれる金属が触媒(*2)となり酸化を促進

食品過酸化脂質が生成される原因
即席麵
(インスタントラーメンなど)
原料となる食品含まれる脂質が加熱により酸化
揚げ油の酸敗(*1)
揚げ菓子
(ポテトチップス、かりんとうなど)
原料となる食品含まれる脂質が加熱により酸化
揚げ油の酸敗(*1)

※1 酒類や油脂などが、細菌や熱・水分などの作用を受けて酸化および分解し、色・味・においなどが変化して酸味を呈する現象。

※2 化学反応の速度を速める作用をもち、反応後もそれ自身は変化しない物質。

④まとめ

いかがだったでしょうか?少し過酸化脂質の性質についてご理解頂けたかと思います。これを機に、一度自分の日常生活で酸化ストレスの原因になるような事はないか見直してみてはいかがでしょうか。もし心当たりがあれば、その改善にこの記事を役立てていただければ幸いです。
なお、加工食品には予め抗酸化物質(ビタミンCなど)が添加されていたり、酸化防止剤が同封されているなど、食品の酸化・劣化を防ぐ工夫がなされています。加工食品は「リスク(危険性)とベネフィット(効果)」を理解したうえで上手に取り入れていく事が大切です。


参考にした文献・サイト

  1. ^菊川 清. 酸化的ストレスと脂質過酸化. 脂質栄養学. 1994;3(1):20-33. doi: 10.4010/jln.3.20.(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jln1992/3/1/3_1_20/_pdf)
  2. ^厚生労働省 e-ヘルスネット. 活性酸素と酸化ストレス. 2021.11.01(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html)
  3. ^ 食品添加物用語の基礎知識 食品添加物600種類の危険度がわかる 第三版: 笑がお書房; 2021.
  4. ^富田 勲, 下位 香, 鈴木 正, 佐野 満, 中村 好, 木苗 直, et al. 魚干物の天日乾燥, 加熱による過酸化と変異活性の変化. 食品衛生学雑誌. 1991;32(6):543-7_1. doi: 10.3358/shokueishi.32.543.
  5. ^宮下 和. 水系での不飽和脂質の酸化安定性に関する研究. オレオサイエンス. 2006;6(12):585-91. doi: 10.5650/oleoscience.6.585.
  6. ^金田 尚. 食品加工と脂質変化. 化学と生物. 1972;10(4):250-6. doi: 10.1271/kagakutoseibutsu1962.10.250.
  7. ^板倉 弘, 加賀 綾. 話題 インスタント食品と過酸化脂質. 臨床検査. 1985;29(11):1442-. doi: 10.11477/mf.1542917550.
  8. ^厚生労働省 e-ヘルスネット. 抗酸化物質(こうさんかぶっしつ). 2024.10.09(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html)

コメント

タイトルとURLをコピーしました