こんにちは!ベジ(Vegi)です。
皆さんがよく摂取するサプリメントは何でしょうか?
ちょっと疲れが溜まっている・・・
風邪気味かも・・・
口内炎が・・・
そんな時によく頼りがちなサプリメントが、ビタミンB群。
しかし、「ビタミンBの摂りすぎは良くない」などという情報も巷に出回っています。
今回はそんなビタミンB群について、この情報の真偽も含め解説します!
①ビタミンB群の種類と働き
ビタミンB群には代表的なものにB1(チアミン)、B2(リボフラビン)、B6(ピリドキシン)、B12(コバラミン)があります。また、一般的に「ビタミンB◯」という表記はされないことが多いですが、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、ビオチン(B7)、葉酸(B9)もビタミンB群に含まれます。各々次のような働きがあります。
| 記号 | 成分名 | 関わっている働き |
|---|---|---|
| B1 | チアミン | 糖質の代謝、神経細胞の維持 |
| B2 | リボフラビン | 脂質、たんぱく質、糖質の代謝 活性酸素の除去 |
| B3 | ナイアシン | 脂質、たんぱく質、糖質の代謝 悪玉コレステロールの低下 善玉コレステロールの増加 |
| B5 | パントテン酸 | 糖質、脂質、たんぱく質の代謝 細胞膜やステロイドホルモンの合成 |
| B6 | ピリドキシン | たんぱく質の再合成 神経伝達物質の合成 赤血球の合成 など |
| B7 | ビオチン | 糖質、脂質、たんぱく質の代謝 細胞増殖を刺激、免疫機能を活性化 髪や皮膚を健康に保つ |
| B9 | 葉酸 | たんぱく質やDNAの合成 赤血球の合成を助ける 胎児の脳や神経の発達 |
| B12 | コバラミン | 赤血球の合成を助ける 神経細胞内の核酸・タンパク質の合成・修復 脳機能を正常に保つ |
主に食事から摂取した栄養素の代謝(=エネルギーに換える身体の反応)や体の働きに必要な物質の合成、脳・神経機能の維持など、どのビタミンも生命を維持する上で欠かせないものとなっています。
では、そんなビタミンB群を取り過ぎたらどうなるのでしょうか?
②ビタミンB群の摂取とがんに関係する研究報告
ビタミンB12、B6、葉酸、メチオニンと食道がんとの関係
約87,000人の日本人を対象に行ったビタミンB12、B6、葉酸、メチオニンの摂取とその後の食道がんの罹患との関連を調べた研究では、ビタミンB12の食事摂取が多い人ほど、食道がんの罹患率が高い傾向にあることが分かりました。ビタミンB6、葉酸、メチオニンの摂取と食道がんの罹患率には相関性がみられませんでした[1]。
ビタミンB6と大腸がんとの関係
32,826人の看護師健康調査(Nurses’ Health Study)参加女性を対象にした研究で、ビタミンB6の総摂取量が多いほど結腸がんの発症リスクが低いことが分かりました[2]。また、ほかの研究でも同様の結果が多く報告されているほか、最新の研究では腫瘍を抑制する作用があることが報告されており[3]、ビタミンB6が大腸がんの予防因子になると結論付けられています。
ビタミンB6、葉酸と乳がんとの関係
侵襲性乳がん患者848人と対照者としてがんや心血管疾患の既往がない45歳以上の女性848人を対象に行われた2008年の研究では、ビタミンB6、B12と葉酸に関して、乳がん全体の発症リスクとは相関性が見られなかったものの、血漿中の葉酸濃度と閉経前乳がんの発症リスク増加には中程度の関連性が見られ、エストロゲン受容体またはプロゲステロン受容体陽性の乳腺腫瘍の発症リスクとも関連が示されました。また、血漿中PLP(※1)濃度が少ないほど閉経後乳がんの発症リスクが高いことが示されました[4]。
※1 PLP…ピリドキサール5′-リン酸の略称。ビタミンB6が体内で代謝されてできる物質。
ビタミンB群とがん発生率、がんによる死亡、総死亡率
Pubmed、EmBaseおよびCochrane Libraryの論文データベースを用いて行われた2016年のメタアナリシス(※2)では、ビタミンB群の摂取はがん発生率、がんによる死亡、総死亡率にほとんど影響を及ぼさないことが示されました。[5]
※2 メタアナリシス…複数の研究から得られたデータをを統合してその影響や傾向を分析する統計の手法。医学分野ではある原因が特定の疾患にどの程度関連するかを解析するのに用いられる。
③まとめ
さまざまな研究報告をまとめましたが皆さんはどのように感じられたでしょうか?
筆者が調べた範囲では、主に核酸、DNA合成に関与する葉酸やビタミンB12では一部のがんの発症と関連が見られましたが、ほかのビタミンB群では関連がかなり小さいかほとんどないという印象です。ビタミンB6に至っては、むしろ不足する方が発がんリスクが高そうですね。
マルチビタミンなどのサプリメントは病中病後など必要時に摂取する分には全く問題ないと考えられますし、短期間であれば摂取量に敏感になる必要はないと考えられます。ただ長期間、日常的に摂取している場合は、特に葉酸、ビタミンB12の摂取量を少し意識してみても良いかもしれませんね(特に葉酸は、妊娠中は摂取量を通常より多めにする必要があるため、減らす方がリスクになる場合もあります)。
参考にした文献・サイト
- ^Hara A, Sasazuki S, Inoue M, Shimazu T, Iwasaki M, Sawada N, Yamaji T, Ishihara J, Iso H, Tsugane S; Japan Public Health Center-Based Prospective Study Group. Use of vitamin supplements and risk of total cancer and cardiovascular disease among the Japanese general population: a population-based survey. BMC Public Health. 2011 Jul 8;11:540. doi: 10.1186/1471-2458-11-540. PMID: 21740538; PMCID: PMC3146872.
- ^Wei EK, Giovannucci E, Selhub J, Fuchs CS, Hankinson SE, Ma J. Plasma Vitamin B 6 and the Risk of Colorectal Cancer and Adenoma in Women. JNCI: Journal of the National Cancer Institute. 2005;97(9):684-92. doi: 10.1093/jnci/dji116.
- ^ 加藤. ビタミンB_6のがん予防研究の新展開. ビタミン. 2010;84(1):17-9. doi: 10.20632/vso.84.1_17.
- ^Lin J, Lee IM, Cook NR, Selhub J, Manson JE, Buring JE, et al. Plasma folate, vitamin B-6, vitamin B-12, and risk of breast cancer in women2. The American Journal of Clinical Nutrition. 2008;87(3):734-43. doi: https://doi.org/10.1093/ajcn/87.3.734.
- ^Zhang S-L, Chen T-S, Ma C-Y, Meng Y-B, Zhang Y-F, Chen Y-W, et al. Effect of vitamin B supplementation on cancer incidence, death due to cancer, and total mortality: A PRISMA-compliant cumulative meta-analysis of randomized controlled trials. Medicine. 2016;95(31):e3485. doi: 10.1097/md.0000000000003485. PubMed PMID: 00005792-201608020-00001.



コメント