こんにちは!べじ(Vegi)です。
令和6年10月から、「長期収載品(後発医薬品(ジェネリック医薬品)がある先発医薬品)の選定療養の制度」が導入されました。これにより一部の先発品の薬局での患者負担が増額されることとなりました。医薬品や負担割合によって金額は異なってきます。そもそもどのような制度なのか、一体どれくらい金額が上がるのかなど、疑問に思われている方も多いかと思います。
今回はそんな長期収載品の選定療養費制度についてわかりやすく解説します!
①どんな制度なの?
そもそも「選定療養」とは?
「選定療養」とは、厚生労働大臣が定める「保険適用を前提としない患者が特別に希望する医療」のことで、健康保険法第六十三条第二項第五号及び高齢者医療確保法第六十四条第二項第五号に規定されています。具体的には次の15項目です。
- 特別の療養環境(差額ベッド)
- 歯科の金合金等
- 金属床総義歯
- 予約診療
- 時間外診療
- 大病院の初診
- 大病院の再診
- 長期収載品
- 小児う蝕の指導管理
- 180日以上の入院
- 制限回数を超える医療行為
- 水晶体再建に使用する多焦点眼内レンズ
- 保険適用期間終了後のプログラム医療機器
- 間歇スキャン式持続血糖測定器
- 精子の凍結及び融解
平たく言うと、「患者がわざわざ選んで受ける医療で一部保険がきかないもの」で、これらにかかる費用のことを「選定療養費」と呼びます。この項目に新たに「長期収載品」が追加されました。
長期収載品とは?
長期収載品とは、後発医薬品(ジェネリック医薬品)がある先発医薬品の事を指す呼び方です。
厚生労働省のホームページに対象となる医薬品のリストが掲載されています。
長期収載品における選定療養とは
つまり、長期収載品(後発品がある医薬品)で患者が先発品を希望した場合、選定療養の扱い(=保険適応外)になり、その医薬品の代金の一部が自己負担となるというのがこの制度の特徴です。
ただし、例外もあり、次のような場合は長期収載品であってもこの制度の対象になりません。
- 医師が治療上必要と認めた場合(以下の場合が想定される)
→先発品と後発品で適応(薬事上承認された効能・効果)が違う
→副作用や他の薬との相互作用がある
→ガイドラインにて後発品への切り換えを推奨していない
→剤形の違いにより後発品では調剤が難しい - 流通上の問題により薬局に在庫がないなど後発品を提供することが困難な場合
- 入院患者(退院時処方含む)
- バイオ医薬品
②どれくらい高くなるの?
ではどれくらい金額が上がるのか?
実際の支払額は処方される薬や保険の負担割合によって変わりますが、計算によってその金額を算出することができます。
(1) 先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当→特別の料金(10割負担)
(2) 先発医薬品の価格から(1)を差し引いた分→保険適用分(1~3割負担)
負担額=(1)+(2)×負担割合(%)÷100
となります。下の図は厚生労働省ホームページの具体例です。この例をもとに金額を算出してみると、

従来は、
先発医薬品を選択→100円×30%÷100=30円
後発医薬品を選択→60円×30%÷100=18円
選定療養費の対象となる先発品を選択した場合、
(1)特別の料金=(100円ー60円)×1/4=10円
(2)保険適用分=100円ー10円=90円
負担額=10円+90円×30%÷100=37円
となり、結果的に7円の増額となります。
実際にどれくらい増額になるかは薬の種類や処方日数によって大きく変わり、数十円~数千円の増額となることもあります。
さらに、この選定療養費には消費税もかかります。
③公費負担医療の対象者は?
国の公費負担医療制度の対象者についても、長期収載品を希望した場合は選定療養の対象となります。つまり、今まで公費負担により医療機関での支払いがなかった方に対しても支払いが生じることとなります。
ただし、上記例外に該当する場合は従来通り公費の適用になります。
生活保護受給者は?
生活保護を受給されている方は、長期収載品を希望した場合であっても生活保護法に基づき原則後発医薬品で調剤することとなっているため、「そもそも選定療養費が発生するケースが生じない」という解釈がなされています。
ただし、上記例外に該当する場合はこちらも従来通り公費の適用になります。
④まとめ
いかがだったでしょうか?選定療養費についてご理解頂けましたでしょうか。何となくイメージしにくいと言う方は、通常スーパーやコンビニで買い物する時、医療保険や公費は使えませんし、消費税もかかりますよね。それと同じになると考えて頂くと分かりやすいかと思います。
参考にした文献・サイト
厚生労働省. 後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について. 2024.4.19 (https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39830.html)
厚生労働省. 長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養の対象医薬品について. 2024.4.19 (https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001247593.pdf)
厚生労働省. 「長期収載品の選定療養」導入 Q&A. 2024.10 (https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202410_004.html)
厚生労働省. 長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1). 2024.7.12 (https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001275325.pdf)
厚生労働省. 長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その2). 2024.8.21 (https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001292186.pdf)



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